MENU

EYES OF MY HERAT

TALK ROOM2015.9.15

絵画アーティストやジュエリーデザイナーという、音や言葉じゃなく目で見るものを表現する二人のアーティストが”僕が目指す本当のクリエイティブとは何なのか?”を見つけるために、貴重な体験を通じて『暗闇のエキスパート(視覚障害者)』の言葉から、僕たちが心の目で何を見るべきか探していく。

アーティストやデザイナーは、自分の日常のことやいつも考えてる事が自然と作品に現れる。明るさを求めてる人は明るい色を沢山使ったり、細部まで細かくこだわったデザインを仕上げる人、感覚をクリエイトしたものをキャンバスに描く画家など…。
自分の視覚に頼らない感性や心の目をアーティストは持っている。
だけど僕たちは、この”心の目”で、もっといろんなものを見なくちゃいけないんだ。
その心の目で見られるものが、ここ”ダイアログ・イン・ザ・ダーク”にあった。






人の生き方、それ自体が芸術



カタヤマケンジ(以下 ケンジ)_ミキティ、カトピー、今日はよろしくお願いします!

カトピー_ケンちゃん、ミキティ、ヨロシクです!

ミキティ_こちらこそ、よろしくお願いします!今日、暗闇を体験してもらった男性の中で、カトピーさんが一番目立ってましたね(笑)

ケンジ_たしかに目立ってたね(笑) それじゃ早速、ミキティにカトピーのジュエリー作品を触ってみてもらいたいな。

ミキティ_良いんですか?(笑) 触ってみたいです!

カトピー_ミキティに、僕のジュエリーがどんな風に伝わってるのか教えて欲しいです。これが僕の作ってる作品です。レザーとシルバーやゴールドを組み合わせたジュエリーがメインアイテムなんだけど、ひとつひとつオーダーメイドで作るから、その時の僕の気持ちを込めて作るようにしてるんです。理想は、何かを感じてもらえるものを作っていきたいんです。表面的に格好良いとか格好悪いとかモチーフとかも抜きにして、気持ちが通じるものを。

ミキティ_私に分かるかな?(笑) でも、すごくいろんなバリエーションがあるんですね!触ってみると細かい違いが凄く分かります。私には、どんなのが似合いますか?さわやかな色が好きなんです。

カトピー_いろいろ指に着けてみて感じてみて下さい。今度、僕がミキティに似合うジュエリー考えておきます!(笑) このレザーリングは、みんな息をしてるんです。だからずっと着けてると、どんどん指に馴染んでくるんですよ。

ミキティ_生きた宝石って感じですね。一個一個に個性があって全部欲しくなっちゃいます!

カトピー_生きた宝石って嬉しいなー!(笑)

ケンジ_ミキティから見てカトピーはどんな感じの人に見える?

ミキティ_接してみて感じたのは…、失礼なんだけど、わたしの実家の近くに住んでる大工の棟梁のおじさんに似てるんです。 やわらかい物腰としゃべり声がそっくりで(笑)

カトピー_ワハハハ、嬉しいです!(笑) ケンちゃんはどう見えますか?

ミキティ_ケンちゃんは色でいうと、ブルーと紫と赤が混ざった感じが伝わってくるんです。

ケンジ_まさに目の前にある、僕がデザインしたiPhoneケースがその色だよ!僕が好きな色だし、何でその色って感じたの?

ミキティ_ケンちゃんの雰囲気や声の印象からその色の感じがしたんですよ。

カトピー_ミキティ、僕は何色ですか?

ミキティ_明るい緑、黄色かな。さわやかな明るい色です。カトピーさんは暗闇の中で、とにかくインパクトが凄かったですから(笑) インパト独り占めでしたよ。

ケンジ_カトピーは暗闇の中でも凄かったね(笑) ねぇミキティ、僕たちが作品を作る上で、これからさらに何を追求していければ良いと思いますか?

ミキティ_作品ってイメージとか、自分の命が吹き込まれるような気がします。わたしも音楽をやっているので、そういったものに気持ちや温かさがどう吹き込まれるかを大切にしています。皆さんが暗闇に入ったら、リアルに視覚から入る情報が無くなります。だからこそより想像力を膨らませたり、いろんな感覚が鮮明になったりします。暗闇で色を想像することや、何かを触った時の指先が感じた敏感さを、普段から持てると素晴らしいと思います。

カトピー_僕は見ての通り両腕骨折したんです(笑) 今はまだ両手は不自由なんだけど、指先は凄く敏感になりました。この今の感覚をこれからも忘れずにいきたいです。そして、今日体験した暗闇の中での感覚も忘れずに作品作りにフィードバックさせたいです。

ミキティ_そうですね。骨折とかってすごく苦しい経験だと思うんだけど、この状況だからこそ手の感覚を意識できるってことも、大切な経験の一つだと思います。わたしも最近、乱聴になって片耳が全く聞こえなくなった時期があったんです。わたしは目を使ってないので音というのがとても大切なんです。片方の耳が遮断されることによって、音の立体感とか空間の広さ、人の声の位置が認識しずらくなるんです。ただ単に音が半分に聞こえるってだけじゃないんです。でも、そういう状態になったから、自分の感覚の可能性っていうのが感じられました。音が遮断されるのはすごく大変だけど、感覚の可能性っていうのを体感できた意味では、良い経験になりましたよ(笑)

ケンジ_感覚の可能性って、人が持ってる大切な部分ですよね。

カトピー そういうのって無くなってしまった分、もっと奥にある人間の本能みたいなのが、感覚の可能性となって表に現れてくる感じですよね。人間って元々そういう力を持ってるんだと思います。

ミキティ_そうなんですよね。そうなった時、人は次にどう進むべきか、どう意識していくか、どう本能で動くのかって思える生き物なんですよね。

ケンジ_今日、ダイアログ・イン・ザ・ダークを体験して感じたことなんだけど、普段は顔を見て人とコミュニケーションをとることが普通だよね。でも、暗闇の中では相手の顔が見えない中言葉のやりとりをしていたんだけど、そこには年齢や肩書き、外見なんか関係ない世界がありましたね。これって僕にとっては、ファミリーや繋がりっていう表現しか見つからなかったんです。暗闇の中は、気持ちのやり取りが出来る空間だったことが凄く大きくて、それは本当にみんなに体験してもらいたいなっていう思いになりました。暗闇の中では、声を出して自分の位置を伝えたり、人の声を頼りに前に進んだり、人とコミュニケーションをとらないと一歩も前に進めない状況がありました。今、人と接するのが少なくなってきている社会だからこそ、この空間を体験してもらいたいって思うんです。僕もこの体験が、これからの自分にどう影響与えてくれてるか、自分自身本当に楽しみです。そして、いつか真っ暗な空間で自分の作品を描いてみたいですね!

ミキティ_良いですね!ぜひやってみてほしいです!ケンジさんは、暗闇の中で「この橋を一番に渡りたい人は誰かいますか?」って聞いたら「じゃ僕、渡ります!」って一番に渡ってくれましたよね。みんな一番最初に何かするのは怖いのに、ケンジさんのその探究心っていうのは凄いと思いますよ!そして、一緒に体験している人たちを安全に導いてくれていたのも、本当に素晴らしいと思いました。きっとケンジさんの作品にもそういった気持ちが映し出されているんだろうと思います。わたしは、人の生き方って、それ自体が芸術だと思うんですよ。

カトピー_すごく心に刺さる言葉ですね!

ケンジ_本当だね!ミキティ、僕はね左腕全体にタトューが彫ってあって、髪の毛は肩より長く、髭なんて輪郭が見えないくらいはやしてるんだよ。ぜひ触ってみて(笑)

ミキティ_本当だ!(笑) 髪の毛なんかわたしより長い(笑) でも、なんでこんなに髪の毛を伸ばしてるんですか?

ケンジ_僕の風貌初めて見る人はみんなドン引きするんですよ(笑) でも、僕はこのスタイルが好きだし、とにかく個性をすごく大事にしていたいんだ。

ミキティ_ドン引きなんですね(笑) でも個性を大事にするのは良いですね!

ケンジ_こんな風貌でも暗闇の中に入ると、みんな見た目なんか関係ないからどんどん話しかけてくれるし、みんながお菓子分けてくれたりして、そういう良い発見もたくさんありました。暗闇では気持ちと気持ちで会話してる感じですよね。

カトピー_僕らだけでしたもんね。お菓子食べてなかったの(笑)

ミキティ_暗闇の中だと、その人の本質に直に触れるっていう感覚が、人を見た目じゃない部分で見てくれてお互いが接してくれるんだと思います。

ケンジ_きっとそうですよね。最後に、ダイアログ・イン・ザ・ダークで伝えたいことやミキティのこれからの夢を聞かせて下さい。

ミキティ_ダイアログ・イン・ザ・ダークも音楽もそうなんですけど、そこにいつも人がいて、音楽があったり、暗闇でみんなでチームを組んでいろんなことを体験したりして、常に人との繋がりを感じていたいです。自分でいうのもおこがましいんですが、ダイアログ・イン・ザ・ダークは本当に素晴らしい空間です。ここには「ありがとう」っていう言葉がいつも溢れています。そして、顔を見てどうのこうのじゃない、心から自然と沸き上がる笑顔がたくさんあるっていうのが、すごく素敵だなって思うんです。そういうのに携われていられる自分がすごく幸せなんです。今日お二人が暗闇の中で言った「ありがとう」が、外に出た時にでも自然と「ありがとう」って思えるように、そして自分が帰る場所に戻ったときでもその「ありがとう」を持っていてもらいたいです。

ケンジ_そういえば、僕は一緒に入ったみんなに最後「ありがとう」を言うの忘れてたよ。外に出た時にも言わなきゃいけなかったよね。

ミキティ_暗闇の中だとあんなにしゃべれるのに、外に出るとみんな口数が減ってくるんですよね(笑) でも、今日の皆さんは一緒に来たのかなって思うくらい最初から打ち解けてましたよ。誰と誰が来たかなんて全然分からないくらい仲が良かったですもん(笑)

ケンジ_そんな風に感じてたんですね(笑) ミキティ、今日は本当に素晴らしい時間をありがとうございました!また必ず会いにきますね!

カトピー_ミキティ、ありがとうございました!実は今日のお礼にプレゼント持ってきました!受け取って下さい。今日会えることを楽しみにしてブレスレットを作ってきました(笑)

ミキティ_本当ですか!! ありがとうございます!嬉しいー!

カトピー_骨折しながら作りました(笑) 大切に使ってくれたら嬉しいです!

ミキティ_カワイイですー!本当に嬉しいー!大切にします!

ケンジ_また会えるのを楽しみにしています。今日はありがとうございました。

カトピー_またみんなで会いましょう!ありがとうございました!




DIALOG IN THE DARK
www.dialoginthedark.com


nineSIXty
www.ninesixty.com


2012年7月20日 GLESTY 015 掲載